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小さくて大きな旅

このところ、バランスを崩していた。

展覧会の準備で、昨年9月から心がザワザワザワザワと落ち着く時間もあまりなかったし
するべきこととしたいこと、目・耳・肌から入ってきた情報が、あまりにも多すぎて
眠ると膨大な夢で目が覚め、朝 窓を開けると
部屋に充満していた言葉の断片達が音をあげながら、空に向かって吹き出してゆく・・・

「 灰色の國での出来事が夢の中で止むなく現れるのは、わたしが感じた情報を
  わたしの身体( 脳 )の中に、フィルターを濾して消化するためであって
  あまりの情報量の多さに消化不良を起こしているから、胃に症状が出てしまっているんだ... 」 と
自分なりに分析できているのだけれど、切換えができない。

言葉の檻に閉じ込められてしまったように息苦しく
自分のものではない時間に引きずり回されて呑み込まれてゆくような感覚・・・


子供の頃、ブランコが嫌いだった。

ひとりでブランコに座り、カニのように横にゆらゆら揺らしたり
両手で鎖につかまって身体を後ろに倒して、空を眺めながら揺れているのは好きだったのだけれど
いつもそんな風にブランコに乗っているわたしに、母は本当のブランコの楽しみを教えたかったのか
後ろにブランコをひっぱり、前に押し出した。
どんどん、揺れは大きくなり、身体が前に押し出される。
「 こわい! 」 と叫びたいのだけれど
「 そーれ! そーれ! 」 と、楽しそうに嬉しそうにわたしの背中を押す母をがっかりさせたくなくて
わたしは叫ぶのを我慢する。
ブランコの揺れは、どんどん大きくなり、鎖がキィキィと悲鳴をあげる。
身体が後ろに引っ張られる時に、なんとか呼吸をした。
身体が前に押し出されるとき・・・
 
 あの身体がバラバラになりそうな、とんでもない恐ろしい所に投げ落とされるような感覚・・・

・・・なんだか、あのブランコの鎖に必死にしがみついているような心の状態だった。





こんな状態のわたしを心配して
わたしの隣の人と、わたしの隣の隣の人が
秩父の滝に行く計画を作ってくれた。

「 家から片道車で2時間くらいだし、秩父華厳の滝は、あまり歩かなくても行ける所だし
  景色も水も綺麗で人もほとんどいないし、やよは好きなだけのんびりしていればいいし。
  環境を変えれば、きっと、頭の切換えができるとおもうよ♪ 」 ・・・って。

・・・綺麗なお水のある静かなところなら、頭治るかもしれない・・・と思って
出掛けることにした。
 

山に着くと、カッコウやウグイスやフクロウ・・・
いろんな鳥達の歌声と、初夏の樹々の香りに包まれた。



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虹色の針水晶のように輝く蜘蛛の巣



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野いちごちゃんに・・・

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蛇いちごちゃん。



歩いてゆくと、だんだん道幅が狭くなってきて ( 50cmくらい )
左側が ‘ 落っこちたら死んじゃうょ ’ な感じの崖になっているので
カメラをバッグにしまって、緊張した面持ちで歩くこと数分・・・




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・・・滝に着いた♡*



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湿った柔らかい空気と、水の香り、優しい光・・・
・・・あれ? 紅い空気水母ちゃんも写真に写っているね・・・♡*



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岩と岩の間の、蜘蛛の橋
岩の間の距離は2メートルくらいもあるのに
この蜘蛛さんは、どうやって橋をつくったのだろぅ・・・

カゲロウくらいに身体の重さがなくなって
この橋を渡ることができたら、どんなにか素敵だろうな・・・



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聖堂のような高い樹々の間から降りてくる木漏れ日・・・

お日さまのステンドグラスの下で、お昼ご飯にすることにした♡゛


わたしの隣の人が作ってくれた美味しいお弁当を有り難くいただいていたら
岩場から蟻さんたちが集まってきたので、卵焼きとおじゃこ、
デザートのお饅頭のあんこを、小さくして差し上げた♡゛



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ひとりで運びたい蟻さん・・・ひとりで運べる蟻さん・・・
ふたりで運びたい蟻さん・・・ふたりで運べる蟻さん・・・
みんなで運びたい蟻さん・・・みんなで運べる蟻さん・・・


・・・蟻さんも、いろいろな性格や事情があるのだなー・・・


いちばん大きな卵焼きは、蟻さんたちが力を合わせて巣穴に入れようとしているのだけれど
蟻さんたちが卵焼きを巣穴に入れている動画です♡゛
もぅ、どのくらい経つのだろぅ・・・
卵焼き部隊もおじゃこ部隊もあんこ部隊も巣穴に渋滞しているので
「 細かくしてあげようか♪ 」 と、わたしの隣の人が細い棒でつんつくしはじめたら
巣穴の中から、ぶわぁぁぁっ...と蟻さんたちが溢れでてきた・・・

どうやら、巣穴の中で、みんな必死に卵焼きを綱引きみたいに引っ張っていたようだった。

「 蟻さんには、蟻さんのやり方があるのだから、見守っていてあげよう♡゛」 と言ったら
隣の人は、滝壺に小石の水切り遊びに行ってしまったので、ひとりで見守ることにした。



ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・ という滝の音が響いている・・・



この音・・・ 滝の音って、時間感覚がなくなるな・・・ 
子供の頃聴いた、レコードが終わった後の、プツン... プツン... っていう針の音や
カセットテープの音が終わった後の、ノイズの音にどこか似ていて
催眠効果もあるような・・・


蟻の巣穴の近くに、わたしの片手がやっと入るくらいの小さな洞窟をみつけた。

中を覗くと、洞窟が二股に分かれていて、手をそっと入れてみると
見事に岩肌に擬態した昆虫が出てきて、金泥のような鱗が光った


わたしは目を閉じた。


満月の夜 巣穴から雲母のように輝く毛皮を持った双頭の獣が
滝壺の水面の光の中に すぅぅぅ...っと溶けるように消えてゆく光景が見えた




蟻の巣に戻ると、卵部隊のあと、おじゃこ部隊が入り
あんこ部隊も無事に入ってゆき( きちんとじゅんばんこに !!! )
門番の7匹の蟻が、その後もしっかりと巣穴を守っていた。

『 最後の晩餐 』 のように、女王蟻を中心にして、正装した蟻達が大きなテーブルを囲み
楽しそうに、卵焼きとおじゃことあんこを食べているところを想像した。

わたしの身体の一部になる、卵焼きとおじゃことあんこが
蟻さんたちの身体の一部になるのだと想うと、とっても嬉しかった。

門番の蟻さんたちに
「 こんど来るときは、大好きなラデュレのペタル・ド・ローズマカロン持ってくるね♡* 」
と、約束した♡*


さっき見た、金泥の鱗の昆虫の写真を撮っておきたくて
水切り遊びをしている隣の人に、カメラのありかをきいたら
隣の隣の人が 「 ヤヨはアリンコからとぉ〜〜〜ぶん動かないだろうから
もういっこ上の滝見てくる 」 って、カメラ持っていっちゃったのだそうだ。

・・・リポビタンDな人は、筋肉動かしていないといられないのだなー。



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↑゛これ。隣の隣の人が滝の上から撮った、わたしとわたしの隣の人。
  ・・・ちさぃなー。


隣の隣の人も戻ってきたし、日も傾いていたし、
帰りに近くのお寺に寄っていこうということになって
滝に 「 さようなら 」 を言った。


あの蜘蛛の橋も、時の魔法が解けたように、消えてなくなっていた。




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お寺に行く途中で出逢った、母と子のような樹



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静かに咲いていたシャガの花
顔彩の滲みのような 白群色と朱色



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↑゛こ、これ。 わたしの隣の隣の人がたまたま〜の奇跡的に撮った
  ふぉとじぇにっくな写真。 ぷぷる。
  記念に載せときましょ♡*



お寺の帰り道で通った廃校の近くに、なんとなく気になった鳥居があったので
神社に寄ってみることに・・・



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神社の階段を上る途中 「 ほら、へびのおっかさん 」 と、わたしの隣の人が教えてくれたお花。

「 ...ヘビ? ...こんなにお洒落でモダンな縞々なのに、なんで蛇のお母さんなの? 」
「 軽井沢 ( わたしの隣の人の故郷 ) では、薄暗い別荘庭によく生えていて、
  へびのおっかさんみつけると、怖くて走って逃げたの 」 ・・・だそぅ。

♧ 調べてみたら、マムシグサ( 蝮草 )という毒草で
  大きく成長できなかった女の子 ( 雌株 ) は、
  男の子 ( 雄株 ) に変身してしまうのだそぅ。...すごぃ♡゛ 詳しくはこちら♡*



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夢の中に横たわっていそうな 誰もいない神社



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神社でお祈りするわたしの隣の人の帽子に、トンボちゃんが止まったので
「 綺麗だから、写真撮らせて 」 と頼んだら
草の上で、ゆっくりポーズをとってくれた...♡*



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ありがとう、トンボちゃん♡*



わたしは、やっと ‘ わたしの時間 ’ を取り戻せたような気がした。



秩父のお山のみなさん、わたしの隣の人と隣の隣の人
有り難う・・・♡*
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by poeetyayo | 2010-06-04 16:26 | ◆ Diary