双頭の鳩
あるところに とても美しい眼を持つ女の子がおりました

女の子の涙は 鳩の血のような美しい宝石になりました

「もっと欲しい」

「もっとください」

「君の宝石は私の力で生まれたのだから私にくれて当然である」

「もっともっと宝石はでるのだろう 私に分けてくれたまえ」

人々はそう言いながら

女の子の紅い宝石を貪ってゆきました


女の子はすっかりからっぽになり

空気のぬけた風船のように

道端に横たわりました


女の子から美しい宝石を当然のように奪った人々は

ある人は質屋に ある人は高価な美術品を買いに

走り去ってゆきました


道端に踏みつけられてボロボロになった女の子の元へ

1羽の愛らしい鳩がやってきて告げました

 
 私たちは同じ血が通っている 私の血を分けてあげます


美しい鳩は右羽と 冬の夜空より美しい瞳を傷つけ

女の子に血を与えました

鳩は謂いました

 
 どうか私のこの羽で空を飛んでください
 
 私のこの瞳は小さなものがとてもよく見えるのです

 うつくしいものは そんな小さなものに宿るものなのです


女の子はようやっと立ちあがりました

白い光に包まれながら

鳩と女の子はひとつの魂になりました
















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# by poeetyayo | 2006-04-15 14:21 | ◆ 詩:Poem.Poe.me ?